「歯列矯正をすると鼻の形が変わる」という話を聞いたことはありませんか?
ネットでもこういった声が度々挙がり、歯列矯正は危険?と危惧している方も多いかもしれません。
しかし実際は鼻の形が変わるということはありません。
今回は、なぜ歯列矯正で鼻の形が変わると言われるのか解説していきます。
歯列矯正で鼻の形は変わる?
結論ですが、歯列矯正で鼻の形は変わりません。
歯を矯正するだけですから鼻に直接影響することはあり得ません。ただ、歯列矯正により顔立ちが変化し、鼻の形が変わったように見えるケースは稀ですが存在します。
鼻の形が変わったと感じる理由
歯列矯正により鼻の形が変わったと感じる理由はいくつかあります。
実際に鼻の形が変わったわけではありませんが、口元が変わったことにより鼻の形が変わったように見えることはあり得ない話ではありません。
鼻の形が変わると感じる理由について以下の3つを紹介します。
・理由1:人中の長さが短くなったから
・理由2:鼻と唇の角度が変わったから
・理由3:eラインが綺麗になったから
理由1:人中の長さが短くなったから
明らかに歯列矯正前と後で鼻の形が変わったと感じるのは、「人中の長さ」が変化したことが要因だと考えられます。
人中とは鼻と口の間にある溝の部分を言い、歯列矯正をすることにより「人中の長さが短くなった」と感じる人がいます。
人中の長さが短くなる場合で多いのは、もともと上顎の前歯が前方へ突出していた方が、前歯を矯正するケースです。
もともと口を閉じる際に邪魔だった前歯が歯列矯正により無くなり、人中の伸びが改善されるからです。
理由2:鼻と唇の角度が変わったから
顔の形状的に、鼻と上唇が作り出す角度が大きければ大きいほど鼻が高く見えるようになっています。
逆に、角度が小さければ小さいほど鼻が低く見えます。歯列矯正により口元が引っ込み、鼻と上唇が作り出す角度が大きくなれば今までよりも鼻が高く見えることがあります。
ちなみに、
・出っ歯
・上下顎前突
・八重歯
などの症状の場合、歯列矯正をすることにより鼻が高くなったと感じがちです。
理由3:Eラインが綺麗になったから
Eラインとは「Esthetic line(エステティックライン)」と呼ばれる線のことを言います。
具体的には鼻先と顎の先端を結んだ線のことを言い、Eラインが綺麗になればなるほど横顔が美しいとされています。
唇の先がこのEライン上にあるか、少しだけ内側に入っていることが理想的と言われているのです。
歯列矯正により若干唇の位置が変わればEラインも変わり、症状によってはEラインが綺麗になることがあります。
鼻の形が変わるように見える歯列矯正のケース
歯列矯正前の歯の状態によっては歯列矯正後に鼻の形が変わったように見えるケースを紹介します。
・ケース1:出っ歯
・ケース2:受け口
ケース1:出っ歯
世間で言われている出っ歯とは「上顎前突」と言われる症状です。
文字通り上の顎が前へ突出している状態のことを言い、歯列矯正により前歯を奥へ引っ込むようになると口元の印象がかなり変わります。
もともと「上顎前突」の場合は、横から見ると口元が前に出ている印象を与えるため、歯列矯正をすると鼻がすっと前に出ている印象を与えるようになります。
実際に鼻の形が変わったのではなく、口元が奥に引っ込んだことによる錯覚です。
ケース2:受け口
受け口とは「下顎前突」と言われる症状で、下の顎が前に突出している状態のことを言います。
「下顎前突」は下の顎が発達しすぎてしまい、上下の歯を噛み合わせた時に下の前歯が上の前歯よりも前に飛び出してしまいます。
こちらも出っ歯と同じように歯列矯正で治療することができますが、奥へ引っ込むことになりますので鼻の形が変わったように感じます。
下顎前突も上顎前突も歯列矯正により実際に鼻の形が変わったわけではありません。
歯列矯正で鼻が低くなることがある?
先ほどまでは歯列矯正により鼻が「高くなる」ケースをご紹介しましたが、中には鼻が低くなったと感じる方もいるのではないでしょうか。
実は、歯列矯正は歯を奥へ引っ込める治療だけではありません。歯が奥に入り込みすぎており噛み合わせが悪い場合、歯を前へ出すような治療を行うケースも少なくありません。
歯を前に出すような治療の場合は、反対に鼻が低くなったように見えることもあります。
鼻の形が変わりブサイクになったという声も?
鼻が高くなる分には大きな問題ありませんが、鼻が低くなってしまうとブサイクになったと感じる方は多いようです。
ブサイクになったと感じる場合、
・鼻筋がかたまり横に引っ張られる
・非抜歯矯正により人中が伸びてしまった
などが原因とされています。
歯列矯正で変化するのは見た目だけではない?
ここまで見ていただいた方は「歯列矯正によって鼻の形が変わる」かもと不安を抱いた方もいるかもしれません。
確かに鼻の形が変わったように感じる可能性は稀にありますが、歯科矯正のスキルが十分にあるクリニックを選び、事前に精密な検査をうけたり、頬周りの筋肉をつけることで失敗を回避できます。
また歯列矯正を行なった後には、以下のような良い変化が訪れます。
・よく噛めるようになる(噛み合わせが改善する)
・健康状態が改善する
歯列矯正は歯並びを良くするだけではなく、健康状態まで改善する効果を発揮します。特に噛み合わせが改善することによる効果は絶大です。
歯列矯正で鼻の形が変わらないようにするためには?
一度歯列矯正をしてしまうと、後から修正が効きにくい可能性があります。
「思っていた出来と違った」「鼻の形が変わってしまった」などのトラブルが起きないようにするためにやっておくべきことは以下の2つです。
・自分で仕上がりイメージを確認しておく
・歯科医師と仕上がりイメージを共有しておく
歯列矯正を行う前にはどのような仕上がりになるのか、シミュレーションを確認することができます。その段階で自分が思い描いている理想の仕上がりではない場合は、歯科医師に相談をしましょう。
最近では3Dシミュレーションにより治療計画を立てるのが一般的ですので、より明確に仕上がりイメージをつかみやすいです。
歯列矯正と鼻の形に関するまとめ
今回の記事では「歯列矯正により鼻の形が変わる」のは本当かどうかについて解説しました。
歯列矯正により鼻の形が変わることはありませんが、口元やEラインの変化から鼻の形が変わった「ように見える」ことはあります。実際に鼻の形が変わったわけではありません。
ただ、相対的に変わってしまうこと方に不安を感じられる方は
・自分で仕上がりイメージを確認しておく
・歯科医師と仕上がりイメージを共有しておく
などの対策を事前にしておきましょう。歯科医師との話し合いの中で「ここで歯列矯正はしないほうがいいかもしれない」と感じるかもしれません。
歯科医師は他にもたくさんいますし、技術的に不足している歯科医師が一定数いるのが現状です。
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