マウスピース矯正・歯科矯正をする上で必ず気になるのが「医療控除」を受けられるのかどうかです。
従来の歯科矯正に比べて安く治療が受けられるようになったとはいえ、少しでもお金の負担は無くしたいはず。
そこで今回はマウスピース矯正は医療控除の対象になるのかについて、詳しく説明をします。
ずばり歯科矯正治療で医療控除は受けられるのか?
結論から言えば、受けることができます。
ただし実際に「噛み合わせに問題があり治療が必要」と医師が診断した場合になります。
もちろん結果として歯列も綺麗に整いますが、目的はあくまで噛み合わせ等の治療が必要な部分の解消であることが基準と言われています。
また「医療目的」と判断された場合は、通院にかかる電車代やバス代といった公共交通機関の交通費も対象となりますので、忘れずに確認しておきましょう。
歯科矯正で医療控除を受けることができないケース
一言で言えば「美容」を目的とした歯科矯正です。
噛み合わせ事態に特には問題がなく、歯列を整えて美しく見せたい、といった場合は対象外になります。
実際に自分の歯列が医療控除の対象になるかどうかは、歯科医師に確認をしてみると良いでしょう。
「医療目的」か「美容目的」かの判断
ここで気になるのが、歯科矯正をする場合の「医療目的」か、また「美容目的」かの判断をどこで付けるかです。
通常の虫歯治療であれば医療目的とハッキリ分かりますが、歯科矯正の場合は判別が難しいケースが多いです。
最も分かりやすいのは、歯列が悪いせいで食事をする際に噛みにくかったり、また言葉を話す時に歯列が原因で少しでも喋りにくかったりすれば、それは美容ではなく医療目的になるため、医療控除が受けやすいと言えるでしょう。
もし少しでも生活に支障を感じる場合は、事前に歯科医師に相談することをおすすめします。
一方で生活に全く支障がなく、美容のみを目的とした歯科矯正は医療控除を受けることができません。
他にも歯科関連で医療控除ができないものを、いくつか確認してみましょう。
(1)ホワイトニングの費用
歯のホワイトニングは基本的には美容目的の施術とされます。実際に日常生活に支障をきたすことはないため、医療控除を受けることは難しいでしょう。
(2)歯のクリーニング費用
歯のクリーニングも虫歯などの治療と異なり、事前予防の意味合いが強く、医療控除を受けることはできません。
もちろん美容目的の歯のクリーニングについても同様です。
(3)歯磨き粉や歯ブラシ等のブラッシング道具の購入費用
歯磨き粉や歯ブラシも歯のクリーニング同様に、事前予防の意味合いが強く、医療控除の対象にはなりません。
実際にどれくらいの額を控除できるのか?
では医療目的の歯科矯正(マウスピース矯正)と診断された場合に、どのくらいの額の医療控除を受けることができるのでしょうか?医療控除額の計算は以下の通りとなります。
年間に払った医療費の合計額ー保険金等の補填額ー※10万円=控除額(上限:200万)
※年間の所得が200万円以下の場合は、所得金額の5%
詳しくは国税庁のホームページに記載されているので、そちらも参考にすると良いでしょう。
医療控除を受けるために必要なもの
ここでは医療控除を受ける上で、必ず必要になる以下の7つを紹介します。
①歯科医院からもらったレシート・領収書
②通院にかかった交通費の領収書
③職場からもらう源泉徴収票
④生命・医療保険がおりた場合はその記載がある書類
⑤医療費控除の明細書
⑥確定申告書AもしくはB
⑦本人確認書類(免許証やマイナンバーカード)
⑧還付先の銀行口座情報と印鑑
※必ず事前に国税庁のホームページや税務署にも確認をお願いします。
①歯科医院からもらったレシート・領収書
医療控除を受ける上で保管しておく必要があるのが、歯科矯正・マウスピース矯正の治療時にもらった「レシート」もしくは「領収書」です。これらは自分が治療を受けたこととその金額の証明になります。
万が一無くしてしまった場合は、治療を受けた歯科医院に問い合わせ、再発行が可能か確認してみましょう。
②通院にかかった公共交通機関の交通費領収書
①と同様に、通院にかかった領収書も保管をしておきましょう。
対象は公共交通機関なので、電車代やバス代が対象になります。
一方で民間のタクシー代や、車のガソリン代は対象になりませんのでご注意ください。
③職場からもらう源泉徴収票
また会社員の場合は、勤務先から受け取る「源泉徴収書」も用意が必要になります。
こちらもついつい保管を怠ってしまうこともありますが、紛失しないよう大切に保管しておくようにしましょう。
④生命・医療保険がおりた場合はその記載がある書類
生命保険・医療保険がおりた場合は、最終的な控除額を計算する上で明細が必要になります。
かかった医療費から受け取った保険料を引いて申告をする必要があるので、忘れずに保管しておくようにしましょう。
⑤医療費控除の明細書
平成29年分の確定申告以降、医療費控除の明細書の提出が義務化されました。
その代わり医療費・通院費の領収書の提出は不要になりましたが、税務署からの提出が求められる必要があるため、5年間は保存しておく必要があります。
いずれにせよ控除額の計算に医療費・通院交通費の集計が必要になるため、金額が記載されたレシートは取っておいた方がいいでしょう。
⑥確定申告書AもしくはB
確定申告をする際に必要な書類です。
会社員の場合は「確定申告書A」を、個人事業主の場合は「確定申告書B」の提出が必要になりますので、間違い無いようにしましょう。
⑦本人確認書類(免許証やマイナンバーカード)
マイナンバーカードも確定申告に必要な書類になります。
事前に準備しておくようにしましょう。
⑧還付先の銀行口座情報と印鑑
還付を受ける際に、受け取り先の銀行口座情報、また実印が必要になるため、こちらも事前に準備しておくようにしましょう。
医療控除を申請するタイミング
医療控除は「確定申告」をすることが必要です。
年末調整では申請をすることはできません。
毎年2月16日から3月15日の間が申請期間となっており、前年1月1日〜12月31日の1年分に使った医療費額を申告します。
もし3月の期限に間に合わなかった場合は、「最大5年分」まで遡って申請をすることができるので、必要書類を破棄することなく次のタイミングで慌てずに申告するようにしましょう。
歯科矯正に関する医療控除のまとめ
「歯科矯正は医療控除を受けることができない」と思っていた方でも、実は医療目的として歯科医師から認められれば医療控除を受けることができると、知っていただけたと思います。
とはいえ歯科矯正を受ける際に「自分の矯正治療は医療目的にはいるのか」を判断するのは非常に難しいでしょう。
まずは控除を受けることができないと決めつけず、実際に歯科医師に相談をし、診断してもらうことをおすすめします。
最終的には医療目的でも美容目的でも自分の理想の歯並びに近づくことはできますので、まずはカウンセリングからはじめの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?