抜歯矯正で口元が引っ込みすぎる原因と予防方法を解説 Zenyum Japan

抜歯矯正で口元が引っ込みすぎる原因と予防方法を解説

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抜歯矯正で口元が引っ込みすぎる原因と予防方法を解説

口元や顎周辺の見栄えをよくするために抜歯矯正したはずが、思っていたよりも「口元が引っ込み過ぎた」という場合が起こりえます。

なぜ引っ込みすぎたのか、またどうしたら引っ込み過ぎを防止できるのでしょうか。

抜歯矯正で失敗しないように、参考にしてください。

抜歯矯正で出過ぎた歯を引っ込ませるケース

口周りが前のほうにボコっと出ていたり、口唇が前に出ている状態の人は、少しでも口元を下げたいと思うでしょう。

この場合、マウスピース矯正や、ワイヤー矯正、セラミック矯正などの治療が考えられますが、抜歯矯正は主にワイヤー矯正で行います。

たとえば以下のような人が抜歯をして歯列矯正をします。

・出っ歯(上顎前突)矯正
・バードフェイス(上下顎前突)矯正
・受け口(下顎前突)矯正

出っ歯(上顎前突)矯正

出っ歯(上顎前突)は、上顎の歯列が、下顎の歯列よりも前方にでていることで、前歯に押され口唇が前方に突き出したような形になります。

この前歯を下げることで、口元を引っ込ませることができます。

バードフェイス(上下顎前突)矯正

上下顎前突は、上下の前歯が前方に出ている状態で、口元が前方に突き出て鳥の口に似たような形状になっており、通称バードフェイスとも言われます。

上下の歯が前に出すぎないように、抜歯矯正することで改善できます。

受け口(下顎前突)矯正

受け口(下顎前突)は、下の歯や下の顎が前に出ている状態で、この場合も抜歯矯正で改善する場合があります。

抜歯矯正によって口元が下がりすぎた原因

しかし「抜歯矯正すれば必ずイメージ通りの口元になれる」というわけではありません。

抜歯矯正することで「口元が引っ込みすぎた」と思う人が一定数います。口元が引っ込みすぎる原因には、以下のようなものがあります。

①必要がないのに抜歯をした
②Eラインをイメージせずに治療した
③もともと下顎が下がり過ぎていた
④口元の筋肉を考慮していなかった
⑤患者本人が描いていたイメージと違う

【原因1】必要がないのに抜歯をした

歯科矯正をする中で、大きく歯を動かす必要がある場合には、ワイヤー矯正など抜歯を伴う治療が必要になる場合があります。歯を抜くことで歯の移動スペースを大きく確保することで、前歯を下げられるようになります。

この際に、歯がどれだけ凸凹しているか、上下歯列のかみ合わせのズレ、前歯の適正角度とのズレ幅、口元がどれくらい突出しているか、ということを基準に判断します。

しかしこの判断を間違い、歯を大きく移動をしなくても矯正できるにもかかわらず、抜歯をすることで歯を大きく動かしてしまった場合に、口元が引っ込み過ぎたという事が起きます。

抜歯をすべきかどうか、歯科医師としっかり相談し、納得した上で抜歯をしましょう。

【原因2】Eラインをイメージせずに治療した

Eラインをイメージせずに治療した場合も、口元が引っ込みすぎるケースがあります。

歯科矯正は、ただ歯を見ていればいいのではなく、鼻の位置や高さ、口唇の形や厚み、歯の位置や歯の角度、顎の形状や骨格、輪郭、など顔全体のバランスを考慮する必要があります。

歯列しか考慮されずに歯科矯正した場合、全体のバランスを欠き、結果的に口元が引っ込みすぎるということがあります。

【原因3】下顎が下がり過ぎていた

口元を下げる場合に、下顎がもともと大きく下がっていたにも関わらず、下顎にあわせて歯科矯正をしてしまうことで、全体的に口元が下がったようになってしまいます。

Eラインを十分に考えていなかったとも言えますが、下げることだけを考えて歯科矯正するとこのような失敗が起きます。

【原因4】口元の筋肉や粘膜を考慮していなかった

口元の筋肉やハリは年齢や習慣によって個人差があるため、その人にあった口元の下げ幅が必要です。

下顎の粘膜が薄い人もいて、だれでも同じ幅を動かせばいいわけではありません。

そういった表には見えにくい部分も十分に考慮して口元を引っ込ませる必要があります。

【原因5】患者本人が描いていたイメージと違う

治療が終わって医師は満足していても、患者本人の思っていたイメージとは違う、ということも考えられます。

治療は患者が納得したかどうかが大事ですので、できるだけ満足いく結果に医師もしようとは考えていますが、イメージのずれが起こることがあります。

これは患者は経験がないため実際には治療をやってみないと正確なイメージをもちにくいことが、大きな理由でしょう。

治療したあとも移動した歯が顔の筋肉や粘膜に馴染むまで、しばらくは顔のイメージが変わっていくこともあるので、一度時間を置いてみましょう。

口元が引っ込み過ぎたことで印象の悪化に

口元が大きく下がりすぎると、以下のようなイメージになり、悪影響があります。

【悪影響1】口元がみすぼらしく見える

必要のない抜歯などによって、口元が過度に引っ込みすぎてしまい、貧相に見えてしまいます

口元がしぼんでしまうような感じになるからです。

【悪影響2】ほうれい線が濃くなる

口元の筋肉は加齢や習慣によって衰えていき、ハリがなくなってきます。

そこで筋肉量などを考えずに抜歯矯正で歯並びをかえることで、頬の周りが垂れてしまい、ほうれい線が濃くなることがあります。

【悪影響3】噛み合わせの悪化

口元が引っ込み過ぎることで、上下の噛み合わせが合わなくなることも考えられます。

外見だけ歯並びがきれいだとしても、実際に重要な噛み合わせが悪くなるのでは元も子もありません。

きれいな噛み合わせも考慮した歯科矯正が重要になります。

抜歯矯正で口元が引っ込み過ぎた場合の対処法

抜歯矯正後は、大きく歯を動かしているため、再度元に戻すということは大変難しくなります。

大きな手術が必要になることもありますので、抜歯矯正する前に、十分に検討してから、口元を下げる矯正を行いましょう。

口元が引っ込みすぎるの予防する方法

抜歯矯正で、口元を一度下げると、元に戻すことは難しくなりますので、予防が大事です。

そこで以下のような予防が考えられます。

・カウンセリング
・事前の精密検査
・セカンドオピニオン

【予防1】カウンセリング

担当の歯科医師から十分にカウンセリングを受け、納得して抜歯矯正を行うことが重要です。

歯科医師も説明する中で、最良の判断を見つけるかもしれませんし、ミスに気づくこともあるかもしれません。

患者本人しか知らない、歯並びや口元の状況を医師に共有することで、口元が下がりすぎることを防げる場合もあるでしょう。

自分はあまり知識がなくても、メリット、デメリット、リスクなど確認し、最終的には自己判断で歯科矯正を行いましょう。

【予防2】事前の精密検査

もちろんカウンセリングをしても、実際には医師にしか歯の状態はわかりません。

ですので、できるだけ精密検査をしてくれる歯科クリニックを選ぶようにしましょう。

多くの経験を積んでいる医師や、最新のスキルを学んでいる医師などを探すことも大事です。

【予防3】セカンドオピニオン

カウンセリングや精密検査をしても、一人の医師だけだと情報が偏る場合もあります。

時間や費用に少し余裕がある人は、別の医師からセカンドオピニオンを得ることで、歯科矯正の失敗を予防できることもあります。

施術の結果への期待がたかまるだけでなく、患者本人の知識も増え、安心して施術に入れます。

抜歯矯正で口元が引っ込みすぎる原因のまとめ

今回は抜歯矯正によって、口元が引っ込みすぎる場合の原因と、引っ込みすぎた場合の悪影響や予防を解説しました。

抜歯矯正をするケースは、出っ歯(上顎前突)矯正、バードフェイス(上下顎前突)矯正、受け口(下顎前突)矯正があります。

ワイヤー矯正を行う際に抜歯をします。抜歯をして歯列矯正をすることで口元が引っ込み過ぎる原因は、

・ 必要がないのに抜歯をした
・ Eラインをイメージせずに治療した
・もともと下顎が下がり過ぎていた
・口元の筋肉を考慮していなかった
・患者本人が描いていたイメージと違うといったことが考えられます。

一度抜歯矯正をしてしまうと、もとに戻すのは難しいので、口元が引っ込みすぎるのを予防しましょう。

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目次

山崎さとみ(歯科衛生士)

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