「インビザラインという名前は聞いたことがあるけど、どんな治療法なんだろう?」と思っている方はいませんか?
インビザラインとは、目立ちにくいマウスピースを使った矯正方法です。
そのため、最近では芸能人やインフルエンサーなどでも、こっそり歯並びをキレイにしている人も多いのです。
今回はインビザラインの特徴やほかの矯正方法との違い、費用、治療の流れなど、インビザラインの基礎知識をご紹介します。
インビザラインとは?
まずは、インビザラインの特徴を見ていきましょう。
【特徴1】着脱可能なマウスピースを使用する
インビザラインはご自身でマウスピースの着脱が可能です。
従来のワイヤー矯正だと、ワイヤーやブラケットなどの矯正装置を一度装着すると、ご自身では取り外すことができませんでした。
しかし、インビザラインは食事と歯磨きの際は装置を外すことができるので、装置に食べ物が挟まる煩わしさや、歯ブラシが行き届きにくくなり虫歯のリスクが高まるなどのトラブルが少なくて済みます。
そのため、ワイヤー矯正に比べると、食事や歯磨きの際のストレスを感じにくい矯正方法だといえるでしょう。
【特徴2】装置が目立ちにくい
インビザラインに使用するマウスピースは透明で、厚みは0.5mm程度です。
従来のワイヤー矯正では、銀色の矯正装置が歯の表面に付くため、歯列矯正=目立ちやすいというイメージを持つ人も少なくありません。
その点、インビザラインは近い距離で会話をしたり、大きな口を開けて笑ったりしたときでも装置は目立ちにくいので、周りにバレずに矯正治療をしたいという人でも、始めやすいでしょう。
【特徴3】治療計画を3Dシミュレーションで確認可能
ほかにもインビザラインは、専用ソフトを使用することで、治療計画やゴールとなる歯並びを3Dシミュレーションで確認できるという特徴があります。
従来の矯正方法だと、歯型を採って製作した模型やレントゲン画像を見ながら歯科医師が治療計画を立てます。
そのため、患者様自身が歯の動く過程をイメージすることが困難でした。
しかし、インビザラインでは、矯正前の歯並びの状態から歯が動く過程、治療完了後の歯並びまでのあらゆる治療段階をチェックすることができます。
理想の歯並びの状態を事前に確認できると、完成イメージのずれが生じにくく、患者様の治療に臨むモチベーションにもつながるでしょう。
【特徴4】さまざまな歯並びに対応できる
インビザラインは国内外でさまざまな歯科医院で採用されているため、多くの症例実績があります。
蓄積された症例データのおかげで、より正確に歯の動きを予想することが可能です。
ガタガタの歯並びや、すきっ歯などのさまざまな症状に対応できるという特徴があります。
ほかの矯正方法とは何がちがう?
次は、インビザラインとほかの矯正方法との違いを比較していきます。
ワイヤー矯正との違い
インビザラインとワイヤー矯正との大きな違いは、見た目の目立ちやすさです。
歴史のある矯正方法である「ワイヤー表側矯正」は、歯の表面に「ワイヤー」「ブラケット」という矯正装置を装着します。
銀色で凹凸のある装置なので、矯正中の見た目が気になるという人も多いでしょう。
一方、インビザラインで使用するのは透明なマウスピースです。
薄いマウスピースを使用するので口元の膨らみもあまりなく、周りにバレずに治療を進められるでしょう。
また、食事や歯磨きのしやすさにも違いがあります。
ワイヤー矯正は患者様自身での装置の着脱はできません。
そのためワイヤー矯正中は、装置に絡まりやすい食べ物や、装置の破損につながるような硬い食べ物を避けなければいけません。
その点、インビザラインは食事の際にはマウスピースを外せるので、矯正前と変わらない食事を楽しめます。
歯磨きもマウスピースは外して行うので、装置が邪魔で磨き残しが増えるといった心配もありません。
ほかのマウスピース矯正との違い
マウスピース矯正には多くのブランドがあります。
マウスピース矯正ブランドの一つであるインビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発し、販売しているマウスピースのことを指します。
ほかのマウスピース矯正とインビザラインの異なる点には、費用や治療範囲などが挙げられます。
インビザラインは歯科医院ごとに価格を設定しており、傾向としてゼニュムなどのマウスピースメーカーよりも費用が高くなりやすいです。
また、マウスピースメーカーでは決まった金額プランでサービスを受けられたり、追加費用が発生しても費用負担してもらえたりと追加サービスを提供している場合もあります。
一方で、マウスピース矯正は対応できる症例が限られており、治療範囲も一部の歯並びを改善する「部分矯正」のみとしているマウスピース矯正ブランドも少なくありません。
その点、インビザラインは矯正プランによってはすべての歯が治療範囲となっている「全顎矯正」が選べたり、重度から軽度までのさまざまな症例に対応できたりする可能性が高いです。
ただし、マウスピースブランドによって治療範囲は異なります。
それぞれに得意としている症例が違うため「自分の歯はマウスピース矯正で治せるのか」「費用はどのぐらいまでなら出せるか」などを総合的に判断しなければいけません。
例えばマウスピースブランドのゼニュムでは、患者様の歯並びに合わせて「全顎矯正」と「部分矯正」の両方のプランがあります。
費用は324,500~660,000円(税込)です。
ゼニュムのように品質を担保しながら、比較的リーズナブルなマウスピースブランドも誕生しています。
ゼニュムのマウスピース矯正が気になった方は、以下から無料オンライン診断を受けてみてください。
インビザラインがおすすめなのはこんな人
インビザラインがおすすめな人をまとめました。
・気づかれない状態で矯正したい
・金属アレルギーがある
・頻繁に通院ができない
・マウスピースの管理ができる
・矯正中でも食事を楽しみたい
インビザラインができない人はいる?
インビザラインは誰にでもできる治療方法ではありません。
お口の中の検査や歯並びの状態を診てみて、治療可能かどうかを判断します。
以下のような特徴がある方は、インビザラインでの治療が難しいケースがあります。
重度な叢生、出っ歯、受け口の症状がある
インビザラインは、叢生と呼ばれる歯列がガタガタとなっている症状には適用できることが多いですが、ガタガタの程度が大きいとインビザラインでは治療できないことがあります。
ワイヤー矯正での治療や、ワイヤー矯正とインビザラインの併用が勧められるケースもあるでしょう。
また、出っ歯や受け口になっている原因が、歯の傾きや生えている位置によってではなく骨格によるものである場合、インビザラインをはじめとした矯正歯科治療だけでは治せない可能性が高いです。
この場合、外科手術が必要となります。
重度の歯周病がある
重度の歯周病がある方は、インビザラインを含む矯正歯科治療を行うことが難しいでしょう。
歯周病とは、歯茎の細菌感染から始まる病気で、症状が進行すると歯を支える歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる骨まで溶かされてしまいます。
最終的には歯が自然と抜け落ちたり、抜歯が必要となったりします。
矯正歯科治療では、歯槽骨の吸収と再生を促して歯を移動するため、歯周病によって歯槽骨が薄くなっていると歯が思うように移動しない可能性があります。
また、歯に力をかけることで歯茎や歯槽骨に刺激が伝わり、歯周病を悪化させるおそれもあります。
歯周病が軽度であれば、先に治療を行い症状が改善されてから、矯正治療に移るケースが多いです。
インプラントが複数本入っている
治療範囲にインプラントが入っている場合には、インビザラインに限らず、矯正歯科治療をするのが難しいでしょう。
インプラントは人工歯根と呼ばれるチタンでできた歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を形成する治療法です。
天然の歯根には歯根膜と呼ばれる組織があり、この組織の働きを利用して矯正治療が行われますが、人工歯根には歯根膜がないため矯正治療で動かすことができません。
埋伏歯がある
埋伏歯と呼ばれる歯茎の中に埋まっている状態の歯がある方は、インビザラインでの治療ができません。
インビザラインは、マウスピースで歯全体を覆うことで適切な力をかけるため、歯茎から出ている歯の長さが短いと、歯の移動が難しくなります。
インビザラインでは歯を引っ張り出す動きはできないため、外科手術やワイヤー矯正などを選択する必要があるでしょう。
マウスピースの管理ができない人
インビザラインは、決められた装着時間を守らなければ、歯を計画どおりに動かすことができなくなります。
また、外したマウスピースの洗浄や、決められた時期でのマウスピースの交換など、患者様自身で管理をしなければいけません。
これらの管理ができないと、治療計画が乱れ、思うような仕上がりにならないおそれがあります。
インビザラインの費用目安と治療の流れ
続いて、インビザラインの費用と治療の流れについて具体的に解説します。
インビザラインの費用相場
インビザラインの費用は部分矯正だと40万円前後、全体矯正では80~110万円程度が費用相場となっています。
インビザラインでは歯並びの状態に合わせて以下のようにいくつかプランがあります。
・インビザライン・コンプリヘンシブ
・インビザライン・ライト
・インビザライン・エクスプレス
・インビザライン・ファースト など
プランによって使用するマウスピースの枚数が異なるため、それぞれ料金や治療期間が異なります。
マウスピースの枚数が多いプランになると、そのぶん費用が高くなります。
また、インビザラインの価格は歯科医院によって独自に設定されているため、費用にバラつきがあるでしょう。
どのプランで治療するかは歯科医師の診断が必要となります。
インビザラインの治療の流れ
インビザラインの治療の流れは以下のとおりです。
① カウンセリング
まずはカウンセリングで現在の歯並びのお悩みや、理想の歯並びの状態を相談します。
お口の状態を診てみて、歯に問題がないか、簡易的にどのような治療方法が合っているかを診断します。
② 精密検査
精密検査ではスキャナーを使って型取りをしたり、あらゆる角度から歯や骨の状態を確認するためにレントゲン撮影や歯科用CT撮影を行ったりします。
精密検査はリスクの有無を判断したり、正確な治療計画を立てたりするための大切な工程です。
③ 診断・治療計画の説明
精密検査の結果をもとに、インビザラインで治療が可能かどうか、可能と判断された場合にはシミュレーションソフトを使って歯がどのように移動していくかを患者様と一緒に確認していきます。
プランの説明や、費用、おおよその治療期間などを聞くことができるので、その内容をもとに治療を開始するかを患者様に検討してもらいます。
④ マウスピースの製作
治療内容に同意すると、データをアライン社に送り、マウスピースの製作に移ります。
⑤ マウスピースのお渡し、治療開始
1~2カ月程度でマウスピースが歯科医院へ届きます。
再度来院していただき、マウスピースの使用方法などの説明を受けたら治療開始です。
1日20~22時間程度装着していただき、治療開始直後は1カ月に1回程度、その後は2カ月に1回程度の間隔で歯科医院を受診して進行具合を確認します。
⑥ 保定治療
理想の歯並びになったら、次は保定期間に入ります。
保定期間はマウスピースやワイヤー型の保定装置を使って、歯をその場所に固定します。
保定治療は歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」を防ぐために大切な工程です。
インビザラインに関するよくある質問
最後に、インビザラインに関してよく挙がる質問に回答していきます。
インビザラインで後悔したと感じるケースとは
インビザラインで後悔を感じるケースには以下のようなものが考えられます。
・理想どおりの歯並びにならなかった
・治療期間が長かった
・歯茎が下がった
理想どおりの仕上がりにならない、治療期間が長いと感じる原因の多くは、マウスピースの装着時間の不足が関係しています。
後悔のない矯正治療にするためには、ご自身のライフスタイルや性格をしっかり考えた上で、治療方法を選択することが大切です。
インビザラインを含むマウスピース矯正は、患者様自身で装着時間などの管理を行っていただくため、管理することに不安がある方はワイヤー矯正のほうが向いている可能性があります。
ほかにも治療後に「歯茎が下がった」と感じることがあります。
これらはインビザラインを含むすべての矯正歯科治療で考えられるリスクの一つであり、適切に歯を動かしても歯茎がやせたように見えたり、歯が長くなったと感じたりするおそれがあります。
不安な方は、事前に歯科医師に相談することをおすすめします。
インビザラインで抜歯をすることはある?
インビザラインでも、症例によっては抜歯をすることがあります。
抜歯の有無は歯並びの状態や、歯科医院の方針によっても異なります。
どこの歯医者でインビザラインができる?
どのような矯正方法を導入しているかは、歯科医院によって異なります。
インビザラインなどのご希望の矯正方法があるかどうかは、事前にホームページや電話などで確認してみることをおすすめします。
ただし、患者様が希望した方法で必ずしも治療ができるとは限りません。
一度、カウンセリングを受けた上で、歯科医師と相談しながら適切な治療方法を検討しましょう。
インビザラインは私に合っている?気になる方はまずは歯科医院で相談しよう
インビザラインはマウスピース矯正の一つです。
マウスピースで治療可能かどうか、まずはお近くの歯科医院で相談してみることをおすすめします。
マウスピースブランドの「ゼニュム」では無料オンライン診断を実施中です。
おうちにいながらマウスピースが適合するかどうかの診断が可能なので、お気軽に受けてみてください。
費用は部分矯正であれば、324,500円(税込)、全顎矯正では575,000円(税込)または660,000円(税込)で治療可能です。
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